2018.10.06 Saturday
沢木耕太郎『銀の森へ』
沢木耕太郎『銀の森へ』を読み終える。
その「事件」の渦中にあるとき、それがいったいどのようなものなのか、自分がどんな立場にあるのか、さらには自分がどのように対処すればいいのかよくわからないということがある。
たぶん、「思春期」という時代は、多くの人にとってひとつの「事件」であるのだろう。そして、多くの事件がそうであるように、その渦中にあるときには、それがどのような意味を持つものなのかよくわからない。過ぎ去って、初めてその全体がくっきりと見えてくる。(沢木耕太郎『銀の森へ』 p.196)
沢木耕太郎の映画評は、映画を借りた人生訓であるようにも感じられる。沢木自身自分のことをシネフィルだとも思っていないだろう。だからこそ、シロートの朴訥とした筆致で綴られる短評が胸を打つ。
今日の収穫はそんなところ。『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』を観ようかと思ったのだけれど、歯医者に行かなくてはならなかったのでサボってしまった。また映画熱がぶり返しつつある。
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